女神

女神女神
三島 由紀夫

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美意識というか美しさに関して書かせたらこの人の右に出るものはいないのではないかと思ってしまう。

中編と短編11作からなる本なのだけれど、どれも読み応えがある。
どれも恋愛に関する物語。
でも、現代の軽い感じのラブストーリではなくて、屈折した愛情だったり、純すぎて現実に耐えられない愛情だったり。
何よりも会話に出てくる日本語が美しくて、こんな日本語を使ってみたいなと思う。

「女神」のヒロインの父親は、美への執着が恐ろしいくらいだ。
でも、こんな風に娘を美しい女性に育て上げる父親というのも羨ましく思えたり。
何かを乗り越えたり、超越したときの人の姿は神々しいのだと思う。
「人間の悲劇や愛慾などに決して蝕まれない、大理石のように固く、明澄な、香しい存在」
そんな人間になったみたいものだ。

「伝説」という5ページからなる短編がすごく好き。
ほんの一場面の男女の会話のような物語なのだけれど、素敵です。
ぼ~っとしてしまう。

「接吻」にしても「白鳥」にしても、最後の一文がウィットに富んでいて面白い。

「雛の宿」は静かながらもぞっとする。
この手のものはあまり読まないけれど、小川洋子さんの「寡黙な死骸 みだらな弔い」を思い出した。

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このページは、が2006年1月22日 21:55に書いたブログ記事です。

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