こうも暑いと、お外へ出ようなんて気分には甚だならず、クーラーのない部屋だけれど家にいようと思う。
扇風機からそよいでくる風は生暖かい。でも、汗をかいた肌にはその生暖かさが体を極度に冷やすわけでもなく、ちょうど良く涼しく通り抜けるので心地良いと思う。
横たわりながら、森 茉莉の私の美の世界を読んだ。
エッセイだから、好き勝手に読める。
好き勝手というのは、興味ない節は読み飛ばすことができるという点において。
タイトルどおり、森 茉莉の美意識とか価値観についてのエッセイ。
「夢を買う話」
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大金を投じて購うということはただの贅沢であって、そこには夢がないし、愉しさががない。
「整形美容の恐怖」
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顔にしろ、頭の内容にしろ、自分以上に見せようとするバカげた根性は、頭のいい、優秀な男の子が嘔吐しようになるほどいやに感じるものなのだ。
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ちゃんとした、頭のある、魅力のある男は、鋭敏な無視の触覚のようなものを持っていて、女の子の顔の中から、姿の中から、その女の子自身が知らないかわいらしさ、その人らしさを発見する。ただ、自然にしていて、どこかで自分を見ている男の子にまかせておくのだ。
「ほんものの贅沢」
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だいたい、贅沢というのは高価なものを持っていることではなくて、贅沢な精神を持っていることである。容れものの着物や車より、中身の人間が贅沢でなくては駄目である。
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要するに、不恰好な螢光燈の突っ立った庭に貧乏な心持で腰掛けている少女より、安い新鮮な花をたくさん活けて楽しんでいる少女の方が、ほんとうの贅沢だということである。

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