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映画化されるみたいですね。
どんな小説だろうと思って、ネットで調べたら意外と評判が良かった。
お涙頂戴ものっぽいけど、それだけじゃないような感想が多かったので、無性に買いたくなった。
久しぶりのハードカバー。
心が温かくなる本が読みたかったの。
久しぶりに。
主人公の香恵は、文具屋さんでバイトをしている。
だから、万年筆のことについては詳しく描写してあって、この著者は万年筆が好きでたまらないんだろうなぁと思った。
ついつい、ネットで万年筆のことを調べながら読んでみたり。
話の筋は、読んでいるとだいたい見えてくるし、なんとなく文章の雰囲気が私には合わなかった。
なんでだろ?
心理描写よりも、写実のほうが多いから?
少し厚みが足りない気がしたの。
ここは涙ポイントかもなぁと思いながら冷静に読んでいた。
でも、最後の最後で、涙が止まらなかった。
伊吹先生の言葉が、伊吹先生の思いが、冷静な私の心の琴線に触れた。
こんな風に人に思ってもらえたら、こんな風に誕生日を祝ってもらえたら、すごく素敵で、生きている意味があるのだろうなぁと思った。
生きている意味かぁ。
香恵が、鹿島さんに向かって放つ言葉。
「彼女と出会って、その輝きに触れるのは、奇跡的なこと」
私が、誰かと出会って、その人が生きているという輝きにふれること。
それは奇跡的なことだ。
今という瞬間に生を受けて、そして同じ場所で出会うという奇跡。
そう思うと、私は生きているというだけで、生きている意味があるのだろうなぁ。
この本は、私にちょっとした勇気をくれた。
伊吹先生の日記の、隆がいったという「物語には順序がある」という言葉のくだり。
映画のクライマックスをいきなり見せてはいけない。
ラブストーリーを少しずつ、魅力的に伝えていくこと。
私には、それが足りないのだろうなぁ。
すぐにダメだと諦めて。
すぐにキモチを抑えて。
自分の中で全て完結してしまう。
物語も語っていないのに。
クライマックを自分で迎えてしまうのだ。
そう考えると私はまだ何も終わってもいないし、始まってもいない。
ちょっとした勇気。
私も香恵みたいに、伊吹先生からちょっとした勇気をもらったよ。
ありがとう。
物語はこれから。
どうなる物語なのか分からないけれど、始まってみなくちゃ分からない。
始めてみなくちゃ分からない。
ちょっとは進歩したかな。
前へ、前へ。


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